意志の表出

4/17
前へ
/460ページ
次へ
「アイスグラウンド」 セラが魔法を唱えると、平原が氷の大地と化した。 氷のスピードが速すぎる……… 俺は凍った脚に魔力を流した。 陰の魔力で氷は溶けるのではなく、消える。 氷が消える一瞬に、セラはすでに次の魔法を放っていた。 「フレア!」 炎の球体………ファイアボールとは比較できない大きさだ。 喰らえば死ぬ。 だが、こんなとこじゃ……死ねない。 セラのためにも、俺は死ねない。 だから、ジムステルを守るために得た力を、俺の身とセラの心を守るために使おう。 「イートシールド!」 イートシールドはフレアを吸収し、その魔力を俺に送った。 セラは次に、上方から攻撃を仕掛けて来る。 「アイスエッジ」 動物の爪を象った氷が降りそそぐ。 イートシールドを拡大させてそれを防ぐ。 セラはそれを見てか、見らずか間髪入れず次の魔法を唱える。 「アイスハンマー!」 氷の槌がイートシールドと衝突した。 その瞬間に悟る。 ここで力比べしてはいけない。 理性がそう冷静に呼び掛けてきた。 俺はイートシールド破壊の直前に横に離脱し、翼をはためかせ空へ昇った。
/460ページ

最初のコメントを投稿しよう!

241人が本棚に入れています
本棚に追加