11人が本棚に入れています
本棚に追加
/80ページ
こうして、自業自得な自分の運命を呪いながら歩いていると、遥の体に突如衝撃が走る。
そしてその衝撃で、遥は尻もちをついた。
すると、前方から罵声が聞こえてくる。
「てめー。どこ見て歩いてんだコラー」
その声に反応するように、遥は前方に視線を向けた。
そこには、髪を派手に染めた長髪の男と、素顔を隠すように濃いメイクに包まれ、ゆるゆるパーマをかけた女がたっていた。
「ぶつかって来ておいて、謝る事も出来ねぇのかよ!」
そして、目の前のカップルの着ている制服に、遥は見覚えがあった。
咲芽名高校の最も近くにある高校、成金高校の生徒であり、お金持ちの生徒が集まる私立高校で、通称ボンボン高校だ。
金の力に物を言わせ、ブイブイ言わせているらしい。
そんな事実確認をしている遥は、多少余裕がある。
しかし、男は怒りに身を任せ、罵声を浴びせてくる。
「ふーん。先が無い高校の制服じゃん。ダッサー。何その眼鏡と髪型」
女は遥を格下と決めつけ、見下したような言葉を並べ立てる。
「ご、ごめんなさい」
遥は慌てて謝罪の言葉を口にしたが、それで許してくれそうな雰囲気ではなかった。
「はぁ?謝って済むと思ってんのか?」
男は更に怒りを露わにする。
先ほどの男の要求通り、謝罪の言葉を口にしたのだが、女と一緒の為か、良い所を見せようと更に興奮しだした。
「そうだよ。もっと言ってやってぇ」
それを煽るように、女は楽しそうに言って来る。
最初のコメントを投稿しよう!