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熱弁を奮った柴木に、遥は圧倒され、そして気づくと首を縦に振っていた。
その様子を見ていた中年男は、益々柴木の事を見直し、気に入ってしまう。
しかし、ここでふと疑問に思う事があった。
「何で私の為にそこまでしてくれるの?」
「それはお前に分かり易く教えようとする事で、更に深く勉強し、理解がより深まるからだ。俺にもメリットはある」
その言葉で遥は、少しがっかりしてしまう。
無意識のうちに、何かを期待してしまったようだ。
一方で柴木も、口ではああ言ったが、本当は遥の事がほっとけない自分が居る事に、徐々に気づき始めている。
話がまとまった所で、中年男に挨拶をし、2人は店を出た。
そして柴木が駅まで送ると言い、2人は横並びに道を歩いていく。
こうして2人の時間が動き始める事になった。
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