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バカレシは少し戸惑いながらも、バカノジョに格好良い所を見せたいのか、やる気を見せる。
遥は必死に抵抗していたが、非常にも、バカレシによって鞄を奪い取られてしまった。
そしてその瞬間、バカノジョが不敵な笑みを浮かべながら、携帯カメラをこちらに向ける。
もう駄目だと諦め、せめてもの抵抗で、両手で顔を覆う遥。
すると、遥の目の前が、急に暗くなる。
「えっ?」
思わず驚きの声を出してしまったが、恐る恐る手をどけると、そこには遥のではない鞄が、目の前を覆っていた。
「お前ら、何してんの」
突然聞こえてきた知らない男の声。
遥は、声のする方へと視線を向ける。
すると、咲芽名高校の制服をそれなりに着崩した、短髪の似合う、爽やか美少年が立っていた。
のだが、遥は眼鏡を奪われている為に、見る事が出来ない。
「わー。超イケメン」
バカノジョは、その男を見て、思わず言葉を漏らした。
しかし、その言葉を聞いたバカレシが、嫉妬に狂い出す。
「こんな男のどこがいいんだよ」
醜い嫉妬だ。
「だってイケメンじゃん」
そしてバカレシが居るのに、そんな事を言うバカノジョはどうかと思う。
「どうでもいいが、その眼鏡、返してやってくれ」
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