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「う、嘘だ」
バカレシは、予想外の答えに動揺を隠せないでいた。
「はぁ。早く返せよ」
イケメン男はそう言いながら、遥かの眼鏡を奪い取る。
「てめぇ。嘘言いやがって。先が無い高校のくせに調子乗ってんじゃねぇよ」
バカレシは怒りの余り、鼻息が荒くなる。
いつも思うが、調子乗ってるって言うヤツが一番調子乗ってると思う。
そんな事を遥が考えていると、バカノジョはうっとりとした表情になる。
「イケメンで頭も良いなんて」
変わり身の早い女だ。
バカノジョがイケメン男の虜になっていると、バカレシがイケメン男に殴り掛かってくる。
しかし、イケメン男はバカレシのみぞおちに蹴りを放つと、バカレシはその場で倒れ込んでしまった。
「くそ。覚えてろ」
バカレシはそう言うと、バカノジョの手を無理やり引きながら去って行く。
遥はホッとしたのか、ため息を吐くと、胸をなでおろした。
そしてイケメン男にお礼を言おうと口を開く。
「あの。ありが……」
その時、背後からエンジン音が聞こえ、遥の声を遮った。
そして数秒後、原付バイクが遥達の真後ろで止まる。
「柴木。乗って行くか?」
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