再会

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「そして、大学3年の20歳の時にあったコンテストにBL小説で応募したら新人賞を受賞できて、小説家としてデビューできたってわけだ。大学もちゃんと卒業はした。」 「へー!!すげーなお前。別に俺は引かないから、今まで連絡を取り合っていた中で教えてくれれば良かったのに。」 俺が他県の高校へ行った時から今になっても幸人とは連絡を取り合っていたが、その中で今の仕事について尋ねるとお茶を濁す感じではっきり教えてくれなかったから、新人賞受賞してデビューしてたってのは初耳だ。 俺の言葉に、幸人は驚いた顔をした後、穏やかな笑みを浮かべた。 「・・・やっぱ、そこらへん雄輝だな。ありがとな。」 何か改めて言われると照れ臭い。 「あ、BL物が好きだからと言って俺はゲイでは無いからな。よく誤解されるんだけど。恋愛対象はちゃんと異性だから。」 「何を言うかと思えば。お前過去何人か彼女と付き合っていたみたいだし分かってるよ。」 幸人はイケメンだから昔からモテてたもんな。 親友がゲイだと分かったら、ショックだったかもしれない。普通ならほっとする所だ。でも、今やけに彼の言葉が突き刺さる。 俺だって、恋愛対象は異性だ。過去に彼女もいた。だけど、彼と会っていない間に気付いてしまっていた。気付いてはいけない気持ちにー。 「本棚の少女漫画も仕事の為の資料だろ?」 胸の痛みを振り払うように、俺は話題を変えた。 「それも見られてたか。まあ、そんな所だ。女性向けの作品はどういうシチュエーションで女性はときめきとか感じたりするのかとか参考にして小説書く時のヒントにさせてもらってる。」 「そっかー。」
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