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「お前さ、休み決まってんの?」
「休みは不定期だから決まってない。その週によって違う。」
「お前んとこのデイサービスは日曜もやってるんだっけ?」
「ああ。盆と正月休み以外は日曜・祝日も営業している。何で?」
「ちょっと取り引きをしようかと思って。」
「取り引き?」
「お前、掃除とか料理とか得意だろ?俺小説の原稿の締め切り近い時とか手が回らなくなるわけ。だから、時々そういう時お前に掃除とメシの支度お願いできないかなと思って。その代わり、その時のお前の食費は俺が出すからここで食べて行っていいし。まあ、お前が良ければだけど。」
確かに、コンビニでバイトしながら小説家ってのも忙しそうだもんな。
「無理しなくていいけど。お前今彼女いたっけ?デートとかの支障になるなら別にいいけど。」
「今彼女はいないから大丈夫。やってあげてもいいけど、幸人は今は?・・・彼女いないのか?」
ドギマギしながら気になる事を聞いてみた。
「今はいない。」
答えを聞いてどこかほっとした。
「じゃあ、交渉成立でいいかな?」
幸人に手を差し出され、俺は握手した。
「必要な時に連絡するから。呼んだ時だけでいい。その時都合悪ければ無理しなくていいし。」
「分かった。」
こうして、俺は時々幸人の部屋へ手伝いに行く事になった。
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