家政夫

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交渉成立してから、俺は呼ばれた時、仕事が休みの日に幸人の家に手伝いに行っていた。 月刊誌の小説の連載をしているようで、主に締切が近い時に行っている。 そういう時期は訪れると部屋の荒れようがかなりのものだ。 ポジティブな言い方をすれば掃除しがいがあるというものか。 ゴミ箱に溢れんばかりに溜まった原稿をクシャクシャに丸めた物を見ると大変だなと思う。 幸人は下書きや浮かんだアイディアを紙に書いて、清書はパソコンという方式のようだ。 集中している時は俺の存在に気付いていないかのように無言でパソコンに向かっている。 背後で片付けたりして物音が立っていても気にならないらしい。 そういえば、ペンネームをまだ聞いていない。 気になる所だ。 今はまさに集中モードでパソコンに向かう幸人が目の前にいる。 今は無理だから後で聞いてみよう。
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