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「ここ、お前んち?」
シャワーを浴びてくる、と浴室へ向かう途中の幸人の背中に向かって俺は尋ねた。
「ああ。」
幸人の一人暮らしの部屋に来たのは初めてだ。
「俺、昨日?」
「お前三次会の途中で寝ちゃって。俺んちが近かったから運んだ。」
「悪い。迷惑掛けたな。」
「ああ。重たかったぜ。」
「ホントすまん。」
「じゃあ、俺シャワー浴びてる間に適当に冷蔵庫にあるので朝メシ作っといてくれよ。それでチャラにしてやる。料理得意だろ?」
「まあ・・・。」
「時々俺も自炊してるから食材はいくらかあるはずだ。じゃ、頼んだぜ。」
そう一方的に言うと、幸人は脱衣場へ姿を消した。
俺が中学卒業後他県の高校へ行った時から今でも、直接会う事は無かったが、近況はずっと教え合っていた。
そのやり取りの中で、料理が得意だという話もしたかもしれない。
割と掃除とかも家事は意外と得意な方だ。
昨日迷惑掛けたし、いっちょやってやるか。
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