宿り木に出逢う

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宿り木に出逢う

時代は変わっていた 昔は偽造テレカを売るイラン人と、それをとりしきっていたり、ビックリするほど高額な余りチケットを売る「ヤ」がつく自由業ファイターと我々「ヤ」がつかないフリーダムファイターは共存し、遊んでいた それこそがストリートの遊びだった…… だがその頃は ストリートミュージシャンにもファンや追っ掛けがいたり、縄張りがあったり、なんだか世の中に認知された存在になっていたのだ 俺は、そこに集まるミュージシャンに、代わる代わる奢らせることでタダ酒をかっくらい、生きるためのカロリーや、タバコ代を得た 「うん。多分、最年長だしね……」 とか思ったから、エラソーに古い話をして先輩ヅラして奢らせてたのだ………… が、 俺より歳上の奴もかなりいた。つか、意外にも俺、逆に、最年少に近かった 「30超えてストリートミュージシャンって、売れねえって気づけよ!」 とは口が割けても言わなかった そして俺は そんなダメ人間が奏でるBGMをバックに詩を読み、その詩を…… 聞くファンを食い始めた
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