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シドが旅に出て7年後―
薄い生地のベストにたわんだズボンのシンが何頭もの竜に囲まれた状態で屈伸して準備体操を始めていた。
「シドの帰りを待たないのか?」
「7年経ってんだから帰ってこねーだろ。だったら見つけてオレが連れて帰る!」
そう、7年経った今でもシドは帰ってきていない。
我慢できない、何をしてるのかわからないままいるのは嫌だとバザガジールの静止も聞いていないくらいにまでに。
7年前に託された竜牙剣を腰にさしてガバッと振り返る。
「……無茶はするな?死んでは意味がないぞ」
「おう!んじゃ行ってくる!」
シンは背中を向けて太陽の昇る方へと歩き出した。
決して後ろは振り向かずひたすら前へ、前へと…。
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