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「気持ちを伝えあっていても、
そばにいないだけで、
心ってほんの少しずつ離れていくものなのかも知れないですね。
会ったときにちょっとずつ、
距離を調節して元に戻していくことしか出来ない。
それが、遠距離恋愛の限界なのかも」
私はそう告げた。
私は彼の8時間前を歩き、彼は、8時間後を追いかける。
想いは一つに重なり合っていても、
時間というものは、残酷に二人の絆を引き裂いていく。
非情なまでに、縮められない距離。
『俺たちに距離なんてないんだよ』
そうつぶやいた、小栗の言葉を思い出した。
「男とうまくいってないのか?」
「連絡が途絶えてるんです、
ここ2日連絡してるんですけど音信不通で」
「それはご愁傷様」
「嬉しがってます?」
「いや、お前もかって、ちょっと悲しく思ってるよ」
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