1087人が本棚に入れています
本棚に追加
「一緒にしないでください。
たまたま連絡付かないだけですから」
「前祝しておこう」
「いやですよ!」
グラスを無理やりカチリとぶつけられて、
さも嬉しそうにビールの中身を彼は煽った。
悔しくて、中身を同じように飲み干した。
「リヨンに行こうって、ようやく決心したのに、
出鼻をくじかれた感じです」
「そうか、残念だな。
お前がやめると思って楽しみにしてたのにな」
「な!ひどい!
さらにナイフ刺さないでくださいよ!」
「悪い悪い」
「私は、離れている間も彼のことをずっと思っていて、
片時も忘れたりなんかしないけれど、
彼にも、自分が思って居るように、
想ってくれていると、期待するのは期待しすぎなんでしょうか?」
「遠い場所にいる彼を思って、夜空を見上げたりとかか?」
私の言葉に、リーダーはくすくすと笑ってこたえる。
「意外とリーダーって、センチメンタルですね」
むすっというと、
「じゃあどんなんだよ。言ってみろよ」
と、同じように唇を尖らせてリーダーも言う。
こういう時の東雲リーダーは子供みたいだ。
それに、センチメンタル男子だし。
最初のコメントを投稿しよう!