キスフレ2nd kiss Vol.15

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「私はもう彼を愛してないんです。 好きじゃない人と、一緒になったとしても、 私も彼も幸せにはなれない」 ぽつりとこぼす。 「じゃあ俺と付き合うか?」 リーダーが、ビールのグラスを傾けながら、 さらっと告げた。 勿論ジョークだとしか思えない。 もう...目玉飛び出そう。 「....はい? なんでそうなるんですか?」 「いま、元彼と付き合うぐらいなら 俺と付き合うって告白しただろ?」 「それは究極論ですよ! 食べられるものがなかったら、 仕方がないから、砂漠で見つけた、 サソリであろうと、食べますって 言ってるぐらいの究極の答えですから」 「おれは、サソリかよ?」 「そうです! だったら死んだほうがましってことです」 「血も涙もないな、」 と、がっくりと肩を落とす東雲リーダーをみて、 さすがにサソリは言いすぎたかと、 ちょっぴり反省して、 うなだれる彼の顔を覗き込んだ。 「さ、サソリは言いすぎましたかね。 かなり、傷ついちゃったりしてます?」 「いや別に?」 ケロッと彼は告げる。 騙された気分で彼から離れて ビールを一口、流し込んだ。
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