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笑顔で離れていくきみに、精一杯手を伸ばした。
でも、その手をきみは握ってくれなくて。
伸ばしたこの手は、ただひたすら空気を掴むことしか出来なくて。
結局俺は、本当に救いたい奴を。
本当に助けたかった奴を。
助けることは、出来なかった。
そして、気付いたんだ。
ようやく、気付けたんだ。
この世の仕組みを。
この世の仕掛けを。
それがあるせいで。
俺は、特別ではないことを。
俺が、唯一無二ではないことを。
だから、決めた。
相手にも、自分にも。
期待なんかさせないように、しないように。
誰にも手なんか、差し伸べないと。
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