第3章 偽りの記憶

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妖は、自分の目の前で固まっている子供に説明を始めた。 「愛おしい子昌浩よ、お前は我が姉の子なんだよ」 「‥‥‥‥」 「妖狼族である姉と人間の間で生まれたのが‥‥‥昌浩、お前なんだ」 「‥‥‥‥えっ!」 突然の言葉に昌浩は、眼を開き固まってしまった。妖はそんな姿に笑いもっと残酷な言葉を告げた 「憎き安倍晴明は、お前の目の前で両親を殺しお前を連れ去っていた。‥‥盗賊達操りな、我が着いた時は既に遅かった」 昌浩は、説明を聞きながらついさっき視た夢のことを思い出していた。 (あ、あの‥‥‥赤子は‥‥俺?) 「我は、姉の子である、昌浩よ‥‥お前探していた。」 「えっ‥‥‥おれ‥‥を?」 「ああ、まさかあの憎き安倍晴明の孫として生きていること知った時は嬉しくそして憎かった!」 「ちょっと待って、おかしいよ」 妖の言葉に昌浩は待ったをかけた。 自分が動揺している息を落ち着かさせながら 「おれの中には確かに妖の血が入っている‥‥だがそれは違う!‥‥‥‥おれの中には天狐の血があるはず、妖狼の血じゃない!」 「いやお前の中には天狐の血ではなく我と同じ妖狼族の血だ!我には分かる」 昌浩は、自分の中にじい様と同じ天狐の血があることを何回、その血のせいで死にかけたことがあるからだ。
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