第4章 決意

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いつの間にか、自分を抱きしめくれる妖がいた。涙を拭ってやりながら 「泣かないでくれ‥‥‥」 「ご、ごめんなさい」 「謝るな、我も‥‥‥辛いことを‥‥‥‥‥」 優しく撫でながら優しい言葉をかけてくれる妖に昌浩は、笑顔を見せた。 「いいです‥‥‥本当のことなんでしょう?」 「そうだ、愛おしい子よ!」 「あのね、‥‥‥‥おれの‥‥本当の‥‥真名教えて‥‥‥欲しいの?」 下を俯きながら呟いた。自分の本当の両親が付けてくれたはずの名が知りたかった。 「知っているよ、‥‥‥お前の本当の名は砕琉(さいる)」 「さ、砕琉?」 「そうだ、意味はわからないが姉が決めた名だ!」 「は、母上が?」 自分の名を知った時、心の中で懐かしさが沸いてきた。自分はこの名前を知っている感覚を味わった。
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