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「砕琉よ、我と供にこい‥‥‥」
「‥‥‥お、おれ‥‥‥は」
昌浩は、自分の本当の名で誘われ、心の中で迷っていた。
「我が愛おしい子、砕琉よ!迷うことない。我と同じ妖狼族の生き残りだ。」
目の前に出された逞しい手を見ながら、昌浩は、
(今までの、生活には‥‥‥戻れないよね。それに‥‥‥俺を必要としてくれる家族が目の前にいるよね?)
相手の言葉を聞き、自分の答え出した昌浩は、迷うことなくその手を掴んだ。
「‥‥‥うん‥‥‥‥一緒に行く。もう‥‥‥一人にしないよね?」
「ああ、もちろんだよ、砕琉」
「うん‥‥‥‥ありがとう、烟昂」
昌浩は自分から烟昂に抱きつき眼を閉じ心の中で謝った。
(ごめんね‥‥‥‥紅蓮みんな、今までありがとう‥‥‥そして‥‥さよなら)
烟昂は、昌浩に気づかれないように笑っていた。
手に入れた‥‥‥
我が復讐に必要な子を‥‥‥‥
さあ、我と供に安倍晴明を‥‥‥
お前の心から優しさを無くしてやろう‥‥‥
哀しみと憎しみだけの‥‥‥
我が傀儡人形の砕琉よ‥‥‥
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