第6章 少年想い

5/5

50人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
砕琉が、昌浩の時の記憶をみるようになってから数日がたった。 「‥‥‥ねぇ、烟昂?」 妖浪達の側で、座っていた砕琉は、自分の目の前にいる烟昂に声かけた。 「どうした?」 「うん、あのね‥‥‥‥此処んとこ変な夢視るんだ?」 「どんな夢だ?」 「うん、内容は━━━━━━」 烟昂は、砕琉の話を聞き (心の中にまだ残っているのか?) 砕琉の知らない所で、一部の心を封じたことを想って考えた。 「‥‥‥それでね、烟昂にお願い事あるの?」 自分の側により抱きついてきた砕琉は、子供の特有のおねだりをしてきた。 「なんだ?」 「‥‥‥俺の記憶‥‥‥ううん、昌浩として生きてきた時の記憶を消してほしい!」 「‥‥‥‥」 「俺には、もう普通の人間として生きて行くこと辞めたから‥‥‥俺は‥‥‥‥烟昂と一緒に妖として生きること‥‥‥決めたから‥‥御願い!」 烟昂は、砕琉の言葉に驚いたが、ちょっとの心の操り、言霊でここまでうまく少年を操ることができたことに心の底から歓喜がわいた。 「‥‥‥記憶を消していいのか?」 「‥‥‥うん、‥‥‥でも最後にあいつらに‥‥‥昌浩としての‥‥想いを伝えてから」 烟昂は、砕琉が何を言いたいのかわかった。 「‥‥砕琉よ、夜に行くぞ!!」 「‥‥‥うん、わかった、ありがとう、烟昂」 二人は、互い抱き合い口付けを交わした。 まさか、ここまで‥‥この子供は 我の考え‥‥‥以上にうまくいくとは‥‥‥ ククィッ、もう少しで我が野望である安倍晴明の抹殺が‥‥‥‥‥
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

50人が本棚に入れています
本棚に追加