2nd move - 異界の魔王

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「マオウさん? あんまり聞かない響きだね? やっぱり東の国の人? あれ…… でも、デウキアって響きは南の国みたい…… 」 長いこと平和が続く大陸に生まれ育った王子は、良く理解していないみたい。 まぁ、この黒い少年に魔王らしさが無いのも原因なのかも。 「だから、魔王だって“魔王”! 魔族の王だっつーの! 」 またまた“きょと~ん”な王子。 「ま、魔王…… ? 魔族の王様?」 「そうだ。俺は魔族の帝国、デウキアから来た。 驚いたか! 」 今度は顔面蒼白になる王子。 ころころ変わる表情が面白い。 「え…… まさか、古代の文献にあったみたいに、侵略しに来たの……? 」 ジリジリと後ずさる。 背の飾りの短剣に手をかけて、 魔王を名乗る少年を睨み付けている…… つもりの王子だけど、迫力が欠片も無かったりする。
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