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「マオウさん?
あんまり聞かない響きだね? やっぱり東の国の人?
あれ…… でも、デウキアって響きは南の国みたい…… 」
長いこと平和が続く大陸に生まれ育った王子は、良く理解していないみたい。
まぁ、この黒い少年に魔王らしさが無いのも原因なのかも。
「だから、魔王だって“魔王”!
魔族の王だっつーの! 」
またまた“きょと~ん”な王子。
「ま、魔王…… ? 魔族の王様?」
「そうだ。俺は魔族の帝国、デウキアから来た。
驚いたか! 」
今度は顔面蒼白になる王子。
ころころ変わる表情が面白い。
「え……
まさか、古代の文献にあったみたいに、侵略しに来たの……? 」
ジリジリと後ずさる。
背の飾りの短剣に手をかけて、
魔王を名乗る少年を睨み付けている……
つもりの王子だけど、迫力が欠片も無かったりする。
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