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「お月様が一つの違う世界? スゴイ!
じゃぁ、大昔に
“異界のモノが門を通じやってきた。”
って本当の事なんだ!
それで、どうやってここまで来たの?」
「魔法だ。それも複雑な魔法陣魔法でだ」
キラキラと瞳を輝かせる王子と、得意げな顔の魔王。
「魔法ってそんなことも出来るなんて知らなかった。
火とか水とか氷を出したりするだけだと思ってたよ」
「そんなのは魔法の初歩の初歩だろ。
素質にもよるが、身体強化、転移に幻術だって出来るぜ?」
へぇ~。と感心する王子を見て、更に得意げに続ける魔王。
「魔王って言っても、国の仕事は親父の大魔王が仕切ってる。
暇を持て余してた俺は、城の書庫で見つけた魔導書の魔法を試して遊んでた。
そんな時に、随分と古い装丁の魔導書を見つけた。 でもその時、本は開けなかった」
「本なのに開けないの?」
不思議そうな王子。
「あぁ。
少し後、その本は “レグルスの写本” という旧世代の魔法を収めた本だと分かった。
レグルスの写本は使い手を選ぶ。
自らを使いこなせる魔力や技術が無い者には開けないようになってるんだ」
「へぇ~。
そんな不思議な本もあるんだね。
どういう仕組みなんだろ?」
少し頬を膨らませ、その頬に人差し指を押し当て、寄り目がちに少し上を見る。
難しい事を考えている仕草のはずだけど、王子がやるとただ可愛いく拗ねてるみたい。
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