0人が本棚に入れています
本棚に追加
やはり、というべきだろうか。彼女は僕に愛の告白をしてきた。
「えっと……マジで?」
念のために確認する。何せ僕は生まれてこのかた誰かから愛の告白なんてものをされたことが無かったんだ。その告白を疑うことを誰が責めれようか。
「マジです。大マジです」
彼女は即答した。
それに対して、ちょっと動揺しながらも、僕はさらに質問する。
「そ、そっか。ありがとう。でも、なんで?なんで俺なんかを好きになってくれたのさ。他にもっと魅力的な奴はくさるほどいるだろう?」
その途端。僕に抱きついていた島村 真耶は、ぱっと僕から離れて一歩後ろに下がる。
そして、じっとこちらを見つめてきた。
先程の光輝いた瞳ではなく、光をも呑み込んでしまうかの様に感じる漆黒の瞳で。
「島村……さん?」
離れてくれた島村 真耶に少し安堵しながらも、いいようのない恐怖感に襲われる。
「し、島村さん?どうしたの?」
返事がないのにますます怖くなって、再度島村 真耶に話しかける。
しかし、彼女はいまだじっとこちらを見つめるだけだ。
まるで人形のように。
最初のコメントを投稿しよう!