4章 別れ話

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外の騒ぎに気づき、出て来たのだ。 勿論、夜光のせいである悪夢で起きていたと言うのも有るだろう。 「甲斐さんを離せっ 警察を呼ぶぞ!」 二人の間に割って入り、夜光を睨む連月 「あ、ちがっ… 違うんです!」 慌てるのは秀だ。 警察等と大事過ぎる。 「すみません、騒いで 仕事の同僚なんです。 夜光、明日帰るんで もう、帰って下さい」 秀は、連月の誤解を解こうと早口に言う。 「秀くん…」 「帰って!」 困った様に戸惑う夜光に、秀は、イライラした様に怒鳴った。 夜光は、おずおずと離しがたそうに秀の手を離す。 秀は、すかさず早足に夜光から離れた。 夜光は、そんな秀の後ろ姿を寂しく見送るしかないのが辛い。 秀の性格は、解りきっている。 彼は、自分の予定を把握してるのだ。 おそらく、俺が居ない間に全部片付けて、出て行ってしまう。 そんな気がしてならなかった。 そんなの 嫌だ! もう会えないなら、想いを伝えてしまった方がいい そう思って、咄嗟に数珠から念を送った。 夜光から離れ、屋敷に入った秀 これで終わりだと思った。 唯一出来た親友…
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