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季節は、春
桜見の季節だ。
陽気のせいか、夜光の気分も浮かれる。
「秀くん
来週には、桜が満になるって
休暇にして二人で花見に行こうよ!」
資料整理に励む秀に、声を掛ける。
「ああ…来週は、雛代と花見の約束を…」
「え?」
何で、連月なんだ!
しかも、いつの間にか名前呼びになっている。
「じゃあ、四人で行こうよ!
萩野も誘ってさぁ」
更に食い下がる夜光。
桜の時期は、短いのだ。
来週は、逃せない。
大体、雛代と仲が良すぎるのも面白くないかった。
きっと、また買い物帰りに寄って来たのだろう。
「え、ええ…
でも、雛代が萩野さんを誘うと思えませんけど…
別に3人で見ても…」
「僕が、萩野に連絡入れとくよ」
夜光は、そう言うと
手早く、萩野にメールを送る。
「連絡先知ってるんですね」
「ん?
この前交換しといたんだよ。
連絡網的な?」
「何ですか、それ?」
フフっと笑う秀
秀は、忘れているかも知れないが
夜光は、秀に気がある。
それに、萩野は雛代が
お互いの、嫁が仲良しならば
此方も連絡出来た方が良いだろう。
勿論、旦那の積もりはないけれど…
夜光は、思わず苦笑で誤魔化した。
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