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残された土田は、手持ち無沙汰になったので
何となく三橋のコレクションを見て回る。
三橋か、所謂オタクだったとは…
やっぱり意外だ。
多分、他の男
しかも、警察官ともなれば
『軟弱者、恥を知れ!』
そう、罵ってた事だろう。
恋は、盲目とは良く言っものだ。
そう、感傷に浸っていると
「土田さん…
あの…」
不意に、三橋の声がし
振り向く。
「すみません…
食材の賞味期限が…」
ショボーンと言う効果音が似合いそうな三橋が立っていた。
まぁ
そりゃあそうだ。
「そうか
またには、外食でもするか?」
「え?
それって…」
初めて、外に連れ出してくれると言う土田の言葉に
三橋は、顔を真っ赤にさせる。
…デートみたいだ。
「どうした?」
不思議そうに、三橋の顔を覗きこむ
何故
彼は、赤面してるのか
可愛いけども
「いえ…
何処に行きますか?」
三橋は、慌てて顔を反らし
話しを変えるように、本題に戻す。
「まあ、ラーメンぐらいしか奢れんが…」
土田は、自分の財布の中身を思い出し
悲しくなる。
給料前は、懐が寂しい。
「ラーメンですか!
俺、醤油が好きです!」
三橋、嬉しそうに言うと
我先にと、玄関へ
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