1人が本棚に入れています
本棚に追加
とっさに口を抑える俺に
『え、おーありがとう
俺も好きやで!10年以上一緒にやってきとるし、尊敬もしとるしな!こんなに長いこと一緒におんのはスバルと横ぐらいやで、笑』
「その好きと違う」
なんでスバルの名前出すかな…
この時無性に腹立って
『じゃあどの…』
と、雛が言い終わる前にキスした
それはもの凄くいいリップ音を立てたキスで、
自分にも聞こえるぐらいデカかった
「これ」
『…』
「雛?」
あかんか
『ふは』
「へ?」
『俺もな、横のこと好き』
「でもそれは」
『一緒や、横が俺のこと好きなように俺も横のこと好きやってん
黙っとこう思てんけど』
「なっ、」
『黙りなさんな、笑
もうどっちでもええ
いや!どっちでもよくない
…気持ちは一緒なんですよ横山さん』
「うぅ」
もうあかん泣きそうや
『ん、泣くなよ
とりあえずデートしますか?』
手を握って立ち上がった雛は何でか立派に見えて、でもどこか笑えた
「飲みには行くんやろ」
『せやな~
すごい酔いたい気分やから行く』
わかってる
「世話すんの嫌やからな」
『アホいいな
恋人の世話は恋人がすんのが基本』
「…」
『あれ、滑ったか』
「ぼけ」
もう最高やこいつ
天然にもほどある、そこがまた…
「好き…」
『なあ横、無意識?今の』
「ちゃ、ちゃう」
雛が笑って俺の手を引き
さあさあ行くで恋人さん。とか言うとるマヌケなやつに気づかれぬように紅く染まった顔をふせてまだ明るい青空の下に出て行く俺の紅い一日。四時頃のはなし。
最初のコメントを投稿しよう!