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岡本先生の様子を見ていれば、其れが席の主に降りかかった災いなのだと誰もが感じている風な空気であった。
けれども実際問題――見た事の無い彼にどの様な反応を示すのが適切なのか周囲の様子を伺っているだけだろう。
「山路くんが――先程亡くなったとご両親から連絡がありました」
ざわざわと教室に小声での会話が広がった。「んなこと言われてもなぁ…」そんな声も耳に入った。
僕は振り向いて公平を見る。顔を顰めて公平も僕に頷いた。別に頷いた事に意味は無いだろうけれど、一年の秋迄は僕も公平も明日香も朋美も――同じクラスだった事がそうさせたのだろう。
「先生。死因…あっと山路くんが亡くなった原因って――」
多分、山路の事を知らないだろうクラスメートの一人が岡本先生に質問をした。
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