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ふぅっと少し息を吐き、僕らの顔を見て先生が話す。
「夏休みに入ったばかりで申し訳ないんだけどね――クラス代表で一緒に山路くんのお通夜に行ってくれないかな?他の子達は山路くんの事知らないし…」
申し訳なさそうなのは、先生自身が彼の事をよく知らない事も関係しているのだろう。
僕らは顔を見合わせて、静かに頷く他無かった。先生がほっとした風にちょっと微笑んだのが印象的だった。
「なーんか夏休みの初っ端から変な…変なってのは不謹慎か?」
ガサツな公平も随分気を遣ってそんな事を呟いた。僕らは川沿いの堤防の坂に座っている。
ジリジリとした日射しが照りつけるけれど、其の暑さを気にするより知っている人の“死”にどう対応するべきなのかを考えていた。
そんな事が無ければ、きっと今頃四人で夏休みの計画を話し合っていた筈だ。
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