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『おい!なんだよコレ!』
公平が見つけたのは紫色に腫れた背中の痣だ。
『こっ…転んじゃってさ』
山路くんは誤魔化した風に笑っていたけれど、其れはあまりに不自然だった。公平は椅子に座っている山路くんのブレザーの袖を強引に捲った。
ブレザーの中は半袖のシャツで、剥き出しになった腕を見て公平の顔が引き攣った。其れは僕にもわかる無惨な刻印だ。
明日香も朋美も口元が歪み、哀しそうに山路くんを見つめた。
押し付けられた煙草で出来た不恰好な丸い火傷――右手の甲の上、長袖のシャツに隠れる辺りに十字架の様に並んでいた。
公平は僕ら以外に誰も居ない教室の窓際――一番後ろの席を見つめて呟いた。
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