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学校の広い敷地には、あまり強くない野球部と、これまた参加する事に意義がある陸上部が兼用で使うグランドがある。
グランドの奥には、モダンとは言い難いがっしりとした造りのコンクリートの塊の様な三階建ての校舎が二棟並んでいた。
校門から続く長いアスファルトのでこぼこ道の右手にグランドが、左側にはツタの絡まる質素だけれど大きなチャペルが建っている。
初めて見た時には其れなりに神聖な感じも受けたのだけれど、一年と半年も通う間にそんな感慨は消えていた。
「暑っつ!なんだよこの暑さ。やっぱこれって温暖化の影響か?」
「だぁーー!そのくそ暑いのに肩に手を掛けるな!公平!」
僕の名前は、久住薫(くずみ かおる)纏わりついてきたのは片倉公平(かたくら こうへい)
公平は百八十センチを超える背丈に、がっしりとした肩幅でオマケに男らしいと云うか――睨みの利く顔だ。
どうしてだか地味な僕の親友と云う気恥ずかしい名称を持っている。十センチも高い背と圧倒的に広い肩幅と胸板…悔しいけれど羨ましい。
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