七つの罪

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「チャペルの集団ヒステリー…いや、ヒステリーとして片付けられた件だね?」 頷く僕らを見渡して真顔になる。 「アレは妙なんだよ。集団ヒステリーと云う事例は確かに在る。其れも君たちと同じ様な年齢に起きる事が確かに多い…けど全員が一斉に同じ体験をするなんて事は有り得ない」 「普通は…普通ってのも変だけどさ。そうじゃ無いの?」 「うん。そうだなぁ…例えばさ、誰かが気分が悪くて吐いたりするのを見ると、自分も気持ち悪くなったりするよね?結局、ある種の閉鎖的な空間と感受性がもたらすんだと思うんだ。どの事例も、発端として誰かが過呼吸を起こして倒れたりだとかの起因があるんだなぁ…」 佐久間さんは一通り話し終えてペットボトルを口に運んだ。僕らは無言で頷くだけだった。
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