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小声の会話をそんな風に終わらせて、公平はスタスタと歩いて朋美の横で何かを告げている。
二言三言話し終わると公平が振り向いて、ニッと笑う。遅れて振り向いた朋美は何だか嬉しそうだった。
立ち止まった公平が横に並んで歩き始める。にやにやと笑った侭だった。
「余計な事言っただろ…」
「さーてね。帰りに裏の堤防な」
「公平が言うと危ない呼び出しみたいだ」
校舎の裏にはそこそこ大きな川が流れ、河川敷は昼間に抜け出したり帰り際にたむろったりする場所でもある。
どうやら僕は朋美と夏の予定を話しあうらしい。嬉しいのだか、迷惑なのだか――公平がおせっかいな事だけ再確認し乍らチャペルへ入った。
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