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「あ、ねぺたみぽぽ」
自称神様が最初に得意気になって自慢してきた、オリジナリティ溢れる生物。
まあ、カエルさんなんだけど。
ぴょんぴょんと元気に、ぴょんぴょんと飛び跳ねて、ぴょんぴょんと。
「えっ」
ぴょんぴょんと、消えた。
元気に飛び上がった瞬間、空中に広がる穴がねぺたみぽぽを飲み込んでしまったんだ。
……いや、自ら飛び込んで行ったと言った方が正しいかもしれない。
「おしまい、なのだ」
ぽかんとする僕の横。
いつの間にか現れた自称神様が、そう呟いた。
「あのねぺたみぽぽはおしまいの時間になった。だから、穴が迎えに来て、おしまいになったのだ」
他の生物を襲わず食べず、番にならず繁殖せず。
生まれ方が独特だから、終わり方もまた。
「そう寂しそうな顔をするな。心配しなくても、今すぐ沢山創ってやるから」
頭上で空間の割れる音が響いて、しんみりした空気がぶち壊されて。
「う、うわぁぁぁ」
本日の天気は、晴れ後、ねぺたみぽぽ。
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