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「あれ」
カエル、いや、ねぺたみぽぽ。
ぬっぺりとした顔の緑色の生物が、ゲコゲコ鳴きながら僕の事をジッと見つめていた。
……いやいや、おかしいよ。
「この森には生き物なんて」
見つめ合う僕とねぺたみぽぽ。
硬直する僕らの時間を動かしたのは、木の後ろから聞こえてきた笑い声だった。
「なんなのだ、その間抜け面は」
聞き慣れた小憎たらしい声。
間違いなく、紛れもなく。
「え、なんで」
自称神様は消えてしまった筈だ。
おしまいが来て、僕の目の前で。
「まったく、あんなイタズラで気絶するなんて困った奴だな。大体、神を創造出来るなんて考える辺り、本当間抜けだぞ」
ガザガザ喧しくなっていく森。
あっちこっちから姿を現す、沢山の動物たち。
よくもまあ、こんなに上手に姿を隠した物だ。
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