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「にゃあ」
まるで、ねこまつり。
森に入ってからというもの、ひたすらに猫だ。
「可愛いだろ?いやぁ、可愛い。実に可愛いぞ」
猫にまみれてはしゃぐ自称神様。
両腕で二匹の猫を抱えて、肉球をふにふにと。
ああ、肉球さんの虜になってしまったんだな。
「ネコ……いや、さんのすのは高い身体能力を持つ素敵な生物なのだ。自由奔放な性格だが、それがまたネコの魅力で」
普通にネコって言ってしまった。
誤魔化すように目を逸らして、さんのすのをふにふにと。
「お、大きくてかっこいいのも創ったんだぞ。ちゃんと、さんのすのみたいにふにふにがあって」
「え」
木々の隙間。
暗がりの向こう。
光る沢山の瞳と低く唸る声が、間違いなく僕に向けられていた。
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