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「…さむい」
学内発表の翌日、ぼくは体調を崩した。
体温計はないから、熱は計れないけど、けど、これが悪寒か。
身体が震える。
バイト、休もう。
研究室も、電話いれないと…
ああ、山内さん、仕事だよなあ。
会いたいな。
情けな、たかが学内発表でこの有様か。
熱のせいか、思考がこんがらがる。
あれ?いま、何考えてたっけ…
重い身体をなんとか起こして、携帯をひらく。
電話。そう、まず、バイト先。
ツーコールで受付のマキちゃんが出た。
「はい、エブリスタスポーツジム杉田です」
「笹本ですが、マキちゃん、店長いる?」
「死にそうな声!幸成くんだいじょうぶ?」
声が、うざい。頭にひびく。
「うん…死にそう、だから、はやく、店長」
「ええ、まじで!マキ、お見舞いいくよ!」
来なくていいよ。
「ウチ、知らないでしょ」
「店長に聞いて履歴書見せてもらう!あ、テンチョー!」
怖いよ、なに、そんな発想、今までも使ってきた手ですか。
…なんかめまいしてきた。
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