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私と相澤さんが、どうしたか。
最終的に、彼には聴かせない、で意見はまとまった。
聴かせてやるものか、いつも独り占めしているくせに、とゆう、幼稚な嫉妬心からでは、断じて、ない。
相澤さんもレディーだし、私もジェントルマンだ。
これは、笹本くんの沽券に関わる、とわれわれは判断したのだ。
そう、そのとおり!
「でも、彼があれから本当に病院に行けたか心配です」
相澤さんが、ふと、正常にもどって言った。
ふむ。
「確かに、尋常じゃない体調不良じゃなきゃ、あそこまで、見失わないか」
「教授…これは、わたしの推測なのですが、」
相澤さんの目が光る。
「笹本くんの、あの状態こそ、本当の姿、ではないでしょうか…」
「うん、相澤さん、私もそれについては、常々おもっていたことだよ」
「やはり!わたしの推測は正しいのですね!」
我々は手を取り合った。
笹本くんは、感情の起伏があまりない。
しかも、少しでも卑猥なことを言おうものなら、こちらが凍ってしまうんじゃないかというくらいの冷たさをかもし出す。
そんな笹本くんが、もし甘えん坊だったなら!
人類の夢だな!
「現段階では、まだ、推測でしかない…しかし、これは、希望に溢れた真実への一歩だ」
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