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正座というのは慣れるまでが辛い。
意識せずとも正座でないと落ち着かないようになるのだが。
それはいつからと明言出来るものではなくて。
そう、例えば何かに集中していて雑念が取り払われた頃に、痺れずにすっと立ち上がれるようになっている。
進は幼い頃から祖母より茶道の手ほどきを受けていた。
進の名付け親でもある。
思春期になって女性に囲まれるのが恥ずかしくなり、稽古は止めてしまった。
それでも華美を好まず慎ましやかでありたいという、基本的な人格は祖母に作られたと思う。
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