その1 一日め それは朝一番の電話から始まった

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「大丈夫??」 「わからない」 「いや、母さんより、父さんの方!」 はあー、と大変重く沈んだ声はベソをかいていた。 「大丈夫じゃない」 母の方も心配だが、どうしようーと言う父の沈み込み具合は受話器を通しても伝わってくる。 これは大事だわ。 夫と娘の視線を受けつつ、裕は眉間に皺を寄せた。
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