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山田たち御一行を見送ったところで、隅においてあったレジ袋を掴む。
「あのっ!」
「ん?」
「ありがとうございました!」
女の子が頭を下げた。
長い髪の毛がバサァってなった。
「いいよ、別に。てか邪魔だったし。あ、怪我とかしてない?」
「してないです!」
「そう。なら良かった」
一応、レジ袋の底が破れてないか確認する。
コンクリートを甘く見ちゃいけない。
立ち上がり際に改めて女の子を見ると、やっぱり可愛い。
大人しそうというより、明るい感じの子。
脚も細いし、ほどよい肉付き。
でも好みじゃない、ごめんよ!
「じゃ、俺帰るね」
「あ、はい。本当にありがとうございました!」
女の子の横を通りすぎて、アパートへの帰路を歩き始める。
………………ん?
大きく空気を吸って、後ろを振り向く。
そこにはにこやかに微笑んだ女の子が立っているだけで、他には誰もいなかった。
「やっぱり70点だね」
「バイバーイ」なんて手を振って、再び歩き始める。
―――あの子の隣を通った時、きつい香水の匂いがした。きつい香水つけてる子はNG。
それに頭を下げられた時、襟足が金色に染められた。
きっとあの子も俺と同じ。清楚そうに見せた隠れヤンキーだ。
……あぁ、女の子って怖いね。
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