1:目と目とが合う瞬間に

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………………さて。 しょっぱな申し上げた通り前の席の子に睨まれてます。 ―――だれぇえええ……? 見たことない顔だから、転校生か何か?? 昨日一昨日、学校休んだからわかんねーよ……。 衿原千明(えりはらちあき)真山高校2年17歳。 こんな体験、生まれて初めてです。 しかし、こんなこと思ってても視線は外してもらえない。 席に座ってからずーっと机とお見合いしちゃってる…。 やべぇ…つむじ見られてるよ、絶対。 今日うまく作れなかったんだよなぁ…。 そーっと、前髪の隙間から確認してみ…――見てる!めっちゃ見てるわ!! つーか、睨んでねぇ!ありゃ、微笑んでる!! 微笑みを浮かべて俺を見てるぅ!!! 「志野ぉ、お前そろそろ前向けー」 お……? 「えー…。もう前向かなきゃダメな感じ?」 「そういう感じぃー」 「きもいね、せんせー」 ケラケラと周りが笑いだす。 おっ?おっ!おっ!?!? 野郎が前を向いた!? これでもうお見合いすることはなくなかったか!? 「志野、お前これ解け」 「はいはい」 しかも机から離れた!?超嬉しい! いつもバーコードなびかせて授業してるだけかと思ってたけど、いいところあるんじゃねぇか!! サンキューだぜ、バーコード!!!!
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