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「速達!!!!立花宅急便です!衿原さんに宅配便でーす!」
さきほどまで俺の家にいた声が右から左に流されていく。
――ガンッ!!
急いでドアを閉めた。
が、それよりも早くドアに革靴を挟まれてしまった。
そして、長く骨ばった指がドアを開けようとしてくる。
あの瞬間、ドアを開けたその先にはゆーたが。そして、そのゆーたの隣にはうすら笑いをしたアイツがいたのだ。
ドアを挟んだ、静かな攻防戦が始まる。
「―――ゆーたぁ゙!!!なんで志野くんいんだよ!?!?!?」
「衿原さん宛のお荷物です☆」
「受け取ってくださーい」
「受け取り拒否だ!!!誰が頼んだ!!」
「今朝言ったじゃーん、私利私欲♪」
「くそがッ………!」
ヤバイ。大声出してたら力入んねぇ…。
それにゲームのしすぎて指が痺れてる。
でも、意地でも開けるわけには行かない。開ければもう俺は終わりだ。ここには逃げ場がない。
志野くんの方は足も挟んでるからまだまだ余裕そうで、俺はもううめき声出てる。
「くっ………」
「おはよう、千明。朝から元気だね」
「…っ……うるせえッ…!」
「全然学校来ないから、雄太に届けてもらっちゃった」
「……んのっ、やろ……!」
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