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「何か飲む?」
「じゃ、キャラメルマキアートを」
「ねーよ。包丁投げるぞ」
今。リビングのソファには志野くんがいる。
ここをどこだと思ってるんだ。俺の家だぞ。
んな、偉そうにするんじゃねぇ。
とは言っても客人なので、コーヒーぐらいは入れてやる。
だが、早く帰ってほしいので量は少なめにした。
「さっきまで喫茶店にいたんだけどさ、ブラックコーヒー飲んじゃって」
「ふーん…」
「で、甘いのが飲みたいなぁと思ったんだけど」
「へぇ」
「やっぱりないよね、キャラメルマキアート」
「ねーよ。だったら帰れ」
と言いつつも、湯気の立つコーヒーを目の前に置いてやる。
うわぁ……矛盾。
ソファに座った志野くんは、机に置かれたコーヒーに手を伸ばし、その香りを嗅いだ。
「インスタントだね」
「うるせぇ。下から殴るぞ」
「俺、結構インスタント好きなんだよ?」
「うるせぇ。早く飲め」
そして願わくば帰れ!!!!
……もちろん帰る訳ないのは十分承知している。
机を間にして、志野くんの目の前に座る。
コーヒーを飲む姿が様になってて、見てると無性に腹が立つ。
「お前うざいってよく言われねぇ?」
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