2:ねぇ!!ドアを開けてぇえええ!!!

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―――しかし……。 ガンッ。 「真面目に答えろよ」 俺の目の前の机が蹴られて、ほんのちょっとだけ机に当たった。 もう笑顔すら浮かべていない志野くんは、座った目で俺を見てきた。 いや、真面目に答えたんだけど…。てか、そんなことより、 「お前、何偉そうにしてんの??猿の大将のくせに」 俺は礼儀を知らない奴が大嫌いだ。それに常識も。 人様の家で普通、机蹴るかよ。コーヒーまで出してやったってのに何その態度。 めちゃくちゃウザいわ。 「カッチーン。マジおこ」 ドンッ。 鈍い音がした。 …………と思えば、目の前には宙に浮かぶ机があった。 まだ中に残っていたらしいコーヒーが宙に舞い、スローモーションのように中身が飛び出していた。 机が落下する直前ギリギリで、横に飛び退いた俺。 アイツ、机を蹴り飛ばしやがった。 足のちゃぶ台がえしじゃねぇか。 机が勢いよく床に倒れ落ちる。 「反応早いね。くたばれよ」 「猿の大将って言われて怒ってるんだ。まじクソガキ」 仕返しとばかりに近くにあった、ゆーたの漫画を志野くんへと投げつける。 が、糸も簡単に払い除けられてしまう。 しかし、それは囮にしか過ぎず、漫画を払い除けたその視界には俺がいる。 「―ッがは……!!」 ソファに悠々と座り、がら空きなその腹に強烈なパンチをお見舞いする。 結構、漫画も役に立つんだなって関心した。 距離をおけば、腹を抱えフラフラと立ち上がった志野くん。 よく効いたみたいだ。
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