2:ねぇ!!ドアを開けてぇえええ!!!

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「 なんか……千明の攻撃って、戦ってると頭痛くなる」 「ヘッドアタックが効いてんじゃね?」 「違うよ。千明って変な攻撃してくるじゃん……さっきの腿蹴りだってそうだし、漫画だって。ああいうの俺、嫌いなんだよね」 「それはよかった。そんなんしか染みついてねんだよ」 「ふーん…。千明もされたことあるわけ?」 「まーな」 俺の頭の中に嫌な記憶が蘇ろうとする。 やめろ!あれだけは!……とは思うが、意味は無し。 頑張ってみても意味はない。決して消えはしない。 あれはケンカをする度に思い出してしまうのだ。 ―――地獄の小学時代を……。 「11歳で鳩尾に踵落とし」 「え?」 「12歳の時には関節技かけられて腕の骨折った」 「…へぇ」 「まぁ、中学生にもなったらまともにやり合えてたけど勝ったことは1回もない」 本当に地獄の日々だった……。 もう傷が絶えない日はなかった。 そのため、丈夫に育ちすぎてしまい現在に至る。 俺の中身はまさに、あの頃から教育されたのだろう。 恐ろしい。 「そいつ、俺なら勝てるかな?」 「ばーか。今じゃ、組の幹部だっての」 「そうなの?」 志野くんがゆっくりと近づいてくる。 なんか殴られそうになかったので、そのままジッとしていた。 「白組(しらぐみ)に入ってるよ。たまに会う」 「あぁ。かなり有名なとこじゃん」 俺の目の前に来た志野くんは、あの日の個室トイレを再現させた。 ヤンキー座りをして、顔を近づけてくる。 あ……今日はコーヒーの匂いがする。
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