2379人が本棚に入れています
本棚に追加
/167ページ
ズラッと、強面さんたちは半分に別れて左右に並んだ。
俺たちはその真ん中を歩く。
なんか、極道みたい。
ほんとやめて、余計目立つから。
じろじろと上から下まで舐めるように見られて、キョドりそう。(挙動不審になりそう)
堂々と歩く志野くんを殴りたい。
「おい。おめぇら」
真ん中を通りきった時、声をかけられる。
振り向けば、さっきのツッコミさん。
「特におめぇだ。銀髪の兄ちゃん」
「あぁ、俺?何ですか?」
ケロリとした表情で志野くんは答える。
「かなり自信のあるヤンキーみてぇだが、あんま派手にやるんじゃねぇぞ」
「それって……注意?」
挑発する志野くん。
やめて、ほんとに。何されても知らないよ俺。
しかし、大人なのか相手にしてないのか、強面顔を1つも動かさなかった。
あれ……てか、俺、不良カウントされてなくね?一応、オーラはまとってるつもりなんだけど……。
「忠告だ、バカ野郎。暴れて、火の粉が掛かっても知らねぇぞ」
「え…火の粉……?」
「今日の俺たちみたいに、一触即発なトコがあるんじゃないかな……」
「話が早いな、兄ちゃん」
一触即発…………ここらへんでは珍しいな。しかも、火の粉が飛び散るほど大きいって……。いったい、何がどうしてんの?
「ま、大人しくしてることだな」
これは立ち止まって聞いたかいがあった。
これが収まりそうになるまで、ケンカは避けよう。自分の身は大切だ。
「じゃあな。おめぇら」
最初のコメントを投稿しよう!