2379人が本棚に入れています
本棚に追加
/167ページ
今日の体育は外だ。
しかし、あいにくの雨。
俺は机の上に頬杖をつく。
「うわ、千明ぶさいく」
「イケメンだからってひがむなよ」
「それ、言ってて虚しくない?」
「…………」
最近、志野くんからの言葉がキツい……。普通にこんなこと言ってくる。
平気なフリしてるけど、正直こっちはもうガラスのハートが限界だ!!!
メンタル強いとか思ってんじゃねぇぞ!もうボロボロだよ!!!
―――ふぅ……。
この自習になってしまった時間をどうしようか……。
真面目に勉強しようにも教科書は全部家にある。
置き勉どころの話じゃない。持ってくるのはめんどくさいのだ。
「ねぇ、千明。携帯鳴ってる」
「え?ああ…珍しいな」
「…………」
志野くんに言われて気がついた。
制服のポケットからジャカジャカと音が鳴っている。着信音は適当だから、相手はわからない。
画面をスライドしてみれば、そこには登録されていない電話番号が……。
「…………………………なんか怖い☆」
「こーゆーのって出たくないよね」
「そう。だから俺も出たくないんだけど……なーんか、見覚えあるんだよな」
この電話番号に見覚えがある。そして、なぜだか嫌な予感がした。
出たくないけど、出らなかったら……みたいな?
マジ超こえー!
意を決して、俺は通話のボタンをタッチする。
そして、携帯を耳にあてた。
「はい!こちら、最近毒舌くらいすぎてガラスのハートがボロボr」
『ゔるせぇ…殺すぞ』
「…え?あ……はい」
最初のコメントを投稿しよう!