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……俺は走った。
きっとボルトよりも速く走った。
もう瞬間的に教室から飛び出てきたんだ。
あそこには俺の残像しかなかっただろう……。
とりあえず、先生に言った通りトイレに向かった。
この学校、男子校だから男子便に隠れるしかない。
女子便だったら皆ためらうからな、隠れるのには最高の場所だぜ。(出る時命がけ)
個室にこもって、スマホぽちぽち。
何してるかって…?――助け呼ぶんだよッ!!
俺の唯一の親友になぁ!!(別に友達少ないわけじゃないよ?)
『ゆーたくんへ
やっほー☆元気ぃ??
てか、学校来て早々トイレなう!
もう萎えぽよー
助けてクレヨン。
千明より』
よし…………送信っと。
衿原千明、トイレの個室にて親友の助けを待つ。
うわぁ、超ダサい。
ブーッブーッ
おお……!さすが親友!スマホいじってたか!
『親愛なるちーちゃんへwww
便所とかwwwwww
くそウケるんですけどwww
声出して笑ったわwwwwww
それなにゆえwww?なにゆえwww?
P.S.今、ガチ体育してるから無理
ゆーたくんより』
………………P.S.と本文、逆じゃね?
え…俺よりガチ体育??
てか、ガチ体育ってなんだよ、本気で体育やってるってこと?
なんだよ今日の体育。サッカーか?バスケか?
よく見りゃ俺バカにされてるし?Wの量ハンパないし、書き出しからWついてんだけど。
親友からの返事にイライラした。
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