2380人が本棚に入れています
本棚に追加
/167ページ
『この間、ウチのお嬢がチンピラに絡まれて、手荒くされたみてぇでな。怪我はしてないが、そのチンピラ探してんだよ』
………………ん?待てよ。なぜだか、脳みそに引っ掛かりが……。
『んで、そこにいた通行人に助けてもらったみてぇで……そいつに聞きゃわかるかと思ってな』
あ。……あぁ。
―――いや!!!さっきの「あ。……あぁ」無し!!!
俺は何も思い出して無いよ!!??
そんな事件起こってたとか俺まったく知らねぇよ!!??
『一応その場所調べてみりゃ、偶然にもお前ん家の近くでなぁ』
「へ、へぇ…」
あれ……でも、これって……。いや…………でも……もしかして………。
『――――――夕方迎えに行くから、てめぇ逃げんなよ?』
ブッ………ツー……ツー……。
ギャアァァア━━━━━━!!!!!!バレてるぅぅゥぅぅう!!!!!
もしかしなくても、バレてるぅぅゥぅぅう!!!!!
なんで俺って知ってんの!?!?怖っ!!!
あれでしょ!?アレ!!!アレダヨネ!!?アレのことでしょ!?(詳しくは1章の終わり頃)
そうだよ!俺だよ!でもなんで?!
いつから!?いつから!?まさかのしょっぱなからお見通しッ!!??てか!!!わかってんなら電話して来んなよ!!!
携帯を耳に当てたまま、その場に固まる俺。
耳に響くのは、通話終了の機械音。
…………どうしよう。これからの行動を考えねば。
きっと逃げれば殺される。でも、大人しくついていくのも嫌だ。
だって、行き先は白組の本家。
何回かは行ったことはあるけど、アパート暮らしな俺には居心地がわるい。
それに、あの親父さんも……………………ええ?……さっき……………白組のお嬢…って…。
ウソ…………まさかの……?
「え、あの子…―――ちよちゃん…?」
最初のコメントを投稿しよう!