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施設にいた俺は、たまたま政宗さんに拾われてから人生が変わった。
たったの10しか離れてない政宗さんとの日々はとても刺激的なことばかりで、1週間で俺は見事に豹変してしまった。
殴る蹴るの毎日はとてつもなく印象に残っているが、それ以上によく覚えているのが、白組の1人娘である白羽ちよ子(しらはねちよこ)との思い出。
当時、白組の期待のルーキーであった政宗さんに連れられて、白組の本家によく行っていた。
そこで、一緒に遊んでいたのがちよちゃんだ。
一人っ子のせいか、とてもわがままで気に入らないことがあるとすぐに怒って泣いた。
隠れんぼをして俺が見つけると泣く、俺が見つからなくても泣いた。
良くいえば、負けず嫌いだった。
そんな、ちよちゃんは小学生の時でさえ手を焼いたのだ、今を想像するとガードマンは大変だろうね……。
「つまり、偶然助けた子が実は知り合いだったと……」
「うん。その時は気づかなかったけど、今思えば面影があるなぁって……」
「会ってなかったの?」
「当たり前。中学からはゆーたとつるんでたし、政宗さんがそっちに泊まり込みばっかだったし?」
昼休みの屋上。しかも、立ち入り禁止。
だが、スペアキーを持っているので問題ない。
いつもなら、ここにゆーたがいるのだが野暮用かなにかで、今は志野くんと2人きり。
ゆーたの手作り弁当に入っている唐揚げをパクリと口に入れる。
「で、事情聴取をされに行くんだね」
「何それリアル怖い」
「だとすると、この前の強面さんたちは白組の人なのかな?」
「あー……それはわかんね」
隣に座る志野くんのご飯をチラ見。
うわ、パンとか辛い。
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