3:仲良しこよしな人間関係

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施設にいた俺は、たまたま政宗さんに拾われてから人生が変わった。 たったの10しか離れてない政宗さんとの日々はとても刺激的なことばかりで、1週間で俺は見事に豹変してしまった。 殴る蹴るの毎日はとてつもなく印象に残っているが、それ以上によく覚えているのが、白組の1人娘である白羽ちよ子(しらはねちよこ)との思い出。 当時、白組の期待のルーキーであった政宗さんに連れられて、白組の本家によく行っていた。 そこで、一緒に遊んでいたのがちよちゃんだ。 一人っ子のせいか、とてもわがままで気に入らないことがあるとすぐに怒って泣いた。 隠れんぼをして俺が見つけると泣く、俺が見つからなくても泣いた。 良くいえば、負けず嫌いだった。 そんな、ちよちゃんは小学生の時でさえ手を焼いたのだ、今を想像するとガードマンは大変だろうね……。 「つまり、偶然助けた子が実は知り合いだったと……」 「うん。その時は気づかなかったけど、今思えば面影があるなぁって……」 「会ってなかったの?」 「当たり前。中学からはゆーたとつるんでたし、政宗さんがそっちに泊まり込みばっかだったし?」 昼休みの屋上。しかも、立ち入り禁止。 だが、スペアキーを持っているので問題ない。 いつもなら、ここにゆーたがいるのだが野暮用かなにかで、今は志野くんと2人きり。 ゆーたの手作り弁当に入っている唐揚げをパクリと口に入れる。 「で、事情聴取をされに行くんだね」 「何それリアル怖い」 「だとすると、この前の強面さんたちは白組の人なのかな?」 「あー……それはわかんね」 隣に座る志野くんのご飯をチラ見。 うわ、パンとか辛い。
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