3:仲良しこよしな人間関係

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白組。今はその名でこの地域を仕切っているが、先代までは"白羽組"であった。 現、組長の白羽源氏(しらはねげんじ)が"白羽の名には覇気がない"ということで、源氏の代から名を改めて"白組"となったのだ。 それがあってなのか、見るみる間に力を大きくしていき、今の白組に至る。 「まさか藤沢組があんなにでかくなるとは思ってなくてな……縄張り争いみたいなもんだ、お前の気にすることじゃねぇよ」 黒スーツの似合うその中年男は、左まぶたの古傷を掻きながら威厳に満ちた声でそう言った。 この人こそが、白組組長である白羽源氏。政宗さんの上司である。 その白羽さんの近くで、じっと正座しているオールバックの男……政宗さん。 眉間にシワを寄せたまま表情が固まってる。 「とりあえず、山田って奴がちよ子に絡んで来やがったんだな?」 「はい。あと、何人かいたんですけど顔は覚えてない」 「わかった。名前さえわかりゃ十分だ」 それだけ言った白羽さんは重たそうに腰を持ち上げて、部屋を出ていこうとする。 「わざわざすまなかったな、千明」 「いえ……」 部屋の戸に手をかけたままの白羽さん。忙しいのだろう、目の下にうっすらと隈ができている。 「――ところで、そこの銀髪。千明には勝てたか?」 最後の最後に、俺の後ろで大人しくしていた大雅にようやく触れる。 触れなさすぎて、見えてないんじゃなかって疑ってたんだけど、見えてたんだね……。 てか、何ですか、その質問。 政宗さんも白羽さんもエスパーですか。 なんで大雅と戦ったの知ってんの??家だよ??
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